人気ブログランキング | 話題のタグを見る
ブログトップ

創造すること・ アートのある暮らし

anandaart.exblog.jp

ロックと絵画


◆絵画とジュエリーのショップへはこちらから→


◆オーダーメイドについては
こちらから→
(オーダーメイド絵画とジュエリー、マリアライトジュエリーのオーダーなどの受付)


◆手仕事のサイトiichiへは
こちらから→
(基本 上記ショップと同じですが若干出品内容が異なり、 作品情報がより見やすく、伝わりやすくなっています。上記ショップの商品の他にプチジュエリーも取り扱っています)







ここ数か月、1か月に1度ぐらいのペースで図書館通いを続けています。私の趣味のひとつです(^^)

ひと駅分を歩くので、運動も兼ねています。
自転車は狭くて蚊の多い自転車置き場までわざわざ出しに行くのが億劫なのと、自転車だと日傘がさせないため、乗る気になれないのです。

貸出期間は2週間ですが次に予約が入っている時以外は延長出来るので、都合に合わせて気が向いた時に行くようにしています。


好きな雑誌や文学・人物論などの他に、お気に入りなのは美術書のコーナー。
毎回何か1つは借りて帰ります。無いと物足りないのです。

けれども画集は重たいので、余程気合の入っている時でないとなかなか…。

その点『もっと知りたい』シリーズは厚さも程よく、カラーページも堪能出来る上に、画家ごとにその生涯と作品が詳しく一冊にまとめられているので借りやすいです。

前回はカラヴァッジョ、今回はラファエロを借りてみました。

傾向として、私は宗教画を見るのが結構好きかも…。
西洋の画家たちのほとんどは神話画や宗教画を描いているので、画家によってのそのテーマに対する視点や表現の違いを見比べられる楽しみがあります。

神話や聖書のドラマチックな場面の数々は創造力を掻き立てるのに充分だし、何度取り上げられても色褪せないテーマであったのでしょう。

壁画や天井画など、大作を見るのも好きです。
隅々までいろんな人物がひしめき合っていてその細かな描写、臨場感の伝わる動作や画面構成など、引き込まれるもののある作品群は、今ほど効率の良い画材も無かった時代に描かれたとはとても思えず、これが人間業かと驚かされます。

素描を見るのも好きです。人の身体の構造、動きなどを研究している過程が見られて興味深いです。

カラヴァッジョはデッサンをした形跡が残っていない、いや、100枚近くの素描画が見つかった!など言われていますが、真偽のほどはまだ不明なようです。


ラファエロはたくさんの優れた素描画が残っています。
レオナルド・ダ・ヴィンチやミケランジェロなど偉大な先人からの影響も受け、作品に取り入れていたようです。

こちら、写真↓の【アレクサンドリアの聖カタリナ】も。

ロックと絵画_c0347597_10171351.jpg
足を交互に出すバランスのとり方は古代彫刻を学んだ成果、回転するように身をよじるポーズはミケランジェロから、風景の写実的な描き方はレオナルド・ダ・ヴィンチから学んだものであるそうです。この作品には、フィレンツェ時代にラファエロが学んだ要素が詰め込まれているのだそうです。

この絵を見て、ん?このポーズ、他にもどこかで見たなあと思いました。

しばらくして、「あっ、そうか!あれだな」と。

ちょうど最近よく聴いていた、スマパンのアルバムジャケットのイラストです↓

ロックと絵画_c0347597_10165273.jpg

顔の向きこそ違いますが、ポーズ、衣装など間違いなくそうですね。
検索したら、やはり関連画像で出てきていました。

先人たちの影響を受けて描いたラファエロの絵が、またこうして現代にアレンジされて使われているって面白いですね。

ラファエロの作品と言えば、他にもアルバムジャケットに使用されていましたね。【アテネの学堂】のこの部分↓
ロックと絵画_c0347597_10173345.jpg
ものすごい大作の、一部分です。
ガンズアンドローゼズの『ユーズ・ユア・イリュージョン』ⅠとⅡに分かれた2枚組アルバム、そのジャケットに使われていました。昔 姉が持っていました。

どちらの絵もラファエロの作、ロックの2枚組大作アルバムとの取り合わせとなっているのが、偶然だけど面白いです。

劇的な構図の絵画と激しさのあるロックは、その世界観にどことなく惹き合うものがあるのかも…なんて勝手に思ったりしています。
不思議と違和感を感じない組み合わせなので。



カラヴァッジョは殺人を犯し、逃亡生活を経て熱病に倒れ38歳で、ラファエロも高熱に苦しみ、37歳でこの世を去っています。

ラファエロの死因については美男子で過度の女好きだったため、などまことしやかに言われているようですが、
今回借りた本では途切れる事なく入る膨大な制作依頼をほとんど断ることなくこなし続けたため、その過労で確実にラファエロの死期は早まったのだろうと書かれていました。

カラヴァッジョも放埓な生活が原因だったのではという説と、画材に多量に含まれる鉛に触れ続けたのが原因とする説があるようです。

若くして夭逝したカラヴァッジョもラファエロも、その生き方は違えど、制作に向かう情熱に壮絶なものを感じます。


また、芸術的創造行為は全て四体液説の分類のひとつである「憂鬱質」の産物であるとする説があるそうで、ラファエロもこの憂鬱質であったそうです。
音楽も絵画も、人の苦悩や葛藤の中から生まれるものほど美しかったりするのかも、とそんな事も考えたのでした。



宗教画を残し、ほぼ同じぐらいの年齢で亡くなったカラヴァッジョとラファエロ、
ラファエロの絵画とロックとの共通点など
好きなものに触れながら感じたことを、ちょっと勝手な見解も交えつつとりとめもなく書いてみました。


by anandab4 | 2017-07-19 14:40 |
<< シエラ産アイスブルーアンダラの... シエラ産アイスブルーアンダラの... >>