30分の講習の後、寄りたかった図書館へ(警察署のすぐ近くなので)。
前回借りていた本の返却期限がきた時には足の痛みが絶頂期だったため、旦那さんが返却に行ってくれました。
「何か借りたいものあった?」と訊いてくれましたが、次に借りようと決めていた画集があったものの、画家の名前が分からないため説明出来ず…。
↑それが写真上の『ジェラール・ディマシオ展』の画集でした。
以前“かっぱ横丁”で何かいい画集はないかな…と物色していた時に、確か一度手に取ったのです。
その時にはあまり気にならず、本棚へと戻したのでした。今思えば、買っておけばよかったな~。
ネットで検索しようにも、フランス人だったことぐらいしか思い出せず…名前が出て来ない。
それが奇跡的に、最寄りの図書館で見かけたのです。昨日、やっと手に取る事が出来ました。
どこか近未来的な人物像、建物が特徴的な絵画は、解剖学や建築学も学んだという経歴からなるほどと納得がいきました。
詳細な人物画を描く人は、やはり解剖学にも関心の高い人が多いように思います。
ジェラール・ディマシオの描く女性像は、まるで黄金の光から生まれた、不思議な美しい幻のようです。
人物が全て裸体なのは、的確に時代を特定しないようにするためなのだそうです。
人物画で衣服を着せる場合、悩む事は確かにあります。裸体の方が絵になる、美しいと思う反面、どこまで描いていいだろうか?と悩む事もあったり。
でもこんなに潔く美しい裸体画を見たら、気にする方がおかしいのではと思えてくる。心強いです。
ディマシオが描く人物像は、若く美しい女性ばかりではありません。男性や赤ちゃん、老人も。
油彩で描かれた上の人物の顔の、口元に刻まれた皺に口紅の赤い色がにじんでいるあたり、ものすごくリアルです。
ディマシオいわく、「人間の皺のように、欠点とみられるものを描くことは、人生を描くことになる。そこで人物像は体験をもった、より信用できるものとなる」と。
皺はその人の歴史であり、それさえも美しいもの。と皆が捉えられるようになれれば、老いもネガティブなものではなくなるのになあ、とそんなことを思いました。
皮膚科の待合室には、見たところ何かの疾患があると思われるような人はあまりいませんでした。
プチ整形的にシミ・皺取りなどの美容外科にかかりに来られる女性が多いようです。
確かに、いつまでもお肌の若さを保ちたいというのは、女性にとって切実な願いです。
けれどプチ整形への敷居が低くなった背景にはもちろん技術の進歩もあると思いますが、自然に老いる事を「劣化」と表現したりする今の風潮も後押しをしているように感じます。
話が逸れましたね。
私は人物画を見るのも描くのも大好きです。